
2ヶ月前、新たにオーダーされた検査。その名も「ブロッキング抗体測定」。検査の結果によっては、これまで20数年間に渡って共に歩んできたバセドウ病から、真逆の甲状腺機能低下症治療に移行する可能性もあるとかないとか。

前回受診時の血液検査の結果、甲状腺機能は低下となっていたため、抗甲状腺薬(メルカゾール)に加えて甲状腺ホルモン薬(チラーヂン)を服用する併用療法が再開となりました。
併用療法再開だけなら、いつものことなのですが、突如オーダーされた聞き慣れない検査「ブロッキング」。
その結果は……?
スポンサーリンクブロッキング抗体検査とは
初めて聞く検査と、その結果によってはバセドウ病の治療薬であるメルカゾールを服用せずに、甲状腺ホルモンを補充するチラーヂンだけを飲む治療に変わる可能性があるらしい、という主治医のサラッとした説明に思考が停止。
何の質問もできないまま、採血をして病院を後にした2ヶ月前。
結果を聞くまでに少しは理解してから闘いに挑むべく、「ブロッキング抗体」について調べてみました。
TRAb に は甲状腺刺激抗体TSAb(thyroid stimulating antibody)とブロッキング抗体TSBAb (TSH-stimulation blocking antibody)がある。刺激抗体TSAb はバセドウ病の原因にな る。ブロッキング抗体TSBAb は甲状腺機能低 下症の原因になる。
TSBAb による甲状腺機能低下症から、刺激抗体TSAb によるバセドウ病になる例がある。逆にTSAb からTSBAb になる症例 がある。
毎回検査している「TSH受容体抗体(TRAb)」。メルカゾールを休薬できるかどうかの重要な指標となる項目で、主治医が一番気にしてみてくれている検査。
今までは「TRAbが「2」以下にならないと、メルカゾールを休薬することはできない」という認識しかありませんでしたが、どうやら色々と複雑な抗体のようです。
TSH受容体抗体(TRAb)= 刺激抗体(TSAb:バセドウ病の原因)+ ブロッキング抗体(TSBAb:甲状腺機能低下症の原因)
つまり、甲状腺に対して相反する作用を示す抗体が合わさった値ということ。そして、刺激抗体(TSAb)陽性によってバセドウ病だったのに、突如ブロッキング抗体(TSBAb)陽性による甲状腺機能低下症に変わることがあるという……。

<甲状腺ホルモン値/甲状腺刺激ホルモン値>
前回の血液検査の結果のように、甲状腺機能低下になっているにもかかわらず、TRAbがかなり高い状態だと、ブロッキング抗体が陽性の甲状腺機能低下症になった可能性が出てくるというわけですね。
ブロッキング抗体陽性! でも、刺激抗体も陽性!?

<甲状腺ホルモン値/甲状腺刺激ホルモン値>

特に自覚症状は無かったものの、いつものバセドウ病って感じの値。TRAb値も高値であることに変わりは無いですが、前回の「126.2」という驚くべき値に比べれば、普通(ちょっと感覚狂いがちですが)。
そんなことをのん気に思っているうちに、本日のメインイベント。ブロッキング抗体の発表です。


<TSH受容体抗体>

結果はなんと、どっちも陽性!
『そんなことあるの?』と思いましたが、主治医曰くあるそうです。ホントに複雑な臓器ですね。人体の不思議というか、ホルモンを調整している脳の謎というか……。
とりあえず、完全な甲状腺機能低下症になってしまったというのは否定的ということのよう。
現在は、バセドウ病に傾いている状態となったので、甲状腺ホルモン薬(チラーヂン)の内服を中止し、抗甲状腺ホルモン薬であるメルカゾールを1日10mg(2錠)のみの内服に変更となりました。
複雑すぎて、まったく理解が追いつきませんが、凸なべでも理解できるようなら、もっと簡単に治せる治療法が発見されていてもオカシくないとも思われますので、気楽に内服治療を続行していきます。
