
バセドウ病歴20年以上。治療開始時はこんなにかかるとは全く想像していなかったのですが、現在もまだ終わりは見えていません。

様々な症状に悩まされるようになり、受診した病院でバセドウ病と診断。
病名もはっきりしたところで、いよいよ治療開始です!バセドウ病治療の第一選択は【内服治療】!
スポンサーリンク抗甲状腺薬:メルカゾール9錠で内服開始

甲状腺ホルモン値はFT3、FT4ともに高値。甲状腺刺激ホルモン値は0.01以下の低値を示しており、バセドウ病と診断を受けました。
※<血液検査の診断について>
凸なべが実際に受けた病院の正常値です。バセドウ病の場合、甲状腺ホルモンであるFT3、FT4が増加し、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が現象するのが特徴となります。
医師は長い時間をかけて説明してくれたのですが、病気についてはよく理解できず。

手元に当時の詳細な検査データは残っていないのですが、診察の最後に医師から言われた一言だけが記憶に残っています。

内服治療の内訳
- メルカゾール5mg 9錠/日(1日3回3錠ずつ)
- インデラル10mg 1錠/日
メルカゾールは抗甲状腺薬として第一選択となるメジャーな薬です。
この内服薬による副作用は用量が多いほど頻度が高くなるため、今では1日6錠までが主流のようです。
ですが、凸なべは9錠から始めました。医師いわく、重症の部類に入るみたいなので当時はその量が一般的だったのでしょう。
インデラルは動悸を抑えるための薬です。この時、凸なべの脈拍は安静時でも100回/分を超えていたので、心臓の負担を減らすためにも、症状を和らげるためにも内服が必要とのことでした。
当時の診察方法
始めのうちは2週間に1回のペースで、甲状腺専門外来に通院しました。
薬の効き具合の確認と内服量が多い場合は副作用も出やすいので、頻繁に採血でホルモン値と副作用の有無を調べる必要があるためです。
メルカゾール内服の主な副作用
【薬疹(じんましん)】
最も発生しやすいのは薬疹(じんましん)です。
軽い場合は抗アレルギー薬も内服しながらメルカゾールを続けることもあります。または、抗甲状腺薬をメルカゾールからプロパジールに変更する場合もあります。
ちなみに母も凸なべ発症から数年後にバセドウ病を患いました。ですが、メルカゾールの内服を開始してすぐ、蕁麻疹が出てしまったためプロパジールに変更し治療を継続していました。母は寛解し、現在は内服等が不要な状態になっています。
【無顆粒球症】
内服を始めた初期の頃に多い副作用です。
細菌などをやっつけてくれる白血球数および顆粒球数が減少(500以下)し、感染症にかかりやすくなる。また、感染症にかかった場合に重症化しやすい。
服用量の調整方法
凸なべの通院していた病院は、受診日には甲状腺ホルモンの検査結果が出ない病院でした(当時はそれが主流だったのかもしれません)。
なので、受診日の段取りは、
- 看護師さんの問診:血圧・脈拍測定、体重測定。自覚症状の確認、内服状況の確認。
- 診察:看護師さんの問診を基に診察。首の腫れ状況や手の震えなどの身体的所見の確認。
- 血液検査:甲状腺ホルモン値と副作用の有無。
- 薬をもらって帰宅。
『えっ!?調整は??』って思いますよね。
副作用の兆候が見られたり、投与量に変更がある場合は、1週間後に電話で連絡が来ていました。連絡が無ければ薬の量は変更なし、ホルモン値の増減によって薬の量の変更が必要な場合は、『明日から何錠にしてください。』と連絡が来るという感じです。
日常生活の注意点
『運動は全面禁止!!』
何もしていなくても運動しているような状態のため、それ以上負荷をかけるようなことはNG。
なので、体育の授業はもちろん見学。通学もできるだけゆっくり歩くように心がけ、全校集会などの長い時間立っているような行事も不可。という診断書を学校に提出しました。
ですが、当時はバセドウ病なんてマイナーな病気のことは学校の先生は知りません。体育は見学していましたが、全校集会などは参加していました。診断書には不可と記載はされていましたが、どの程度長時間だとダメなのか、そもそも大したこと無さそうなのにという感じでしょうね。
凸なべにも詳しく説明できる自信もなく、なし崩し的に参加していました。
内服薬開始後の経過
薬を飲み始めて1ヶ月もしないうちに、自覚症状はだいぶ改善していました。幸い副作用もなし。
- 安静時でも100回/分、ちょっと動くと140~150回/分になっていた心拍数も、安静時80回/分程度へ落ち着き、内服薬のインデラルは動悸がある時のみ服用に変更。
- 動作時の息切れも改善傾向。
- 体重減少が止まる(33kg)。
- 喉の渇きや汗の量が減る。
- 横になった時の動悸感も無くなり、睡眠が確保できるようになる。
- 悪夢を見る回数が減る。

上記のように、自覚症状に改善が見られ身体も楽になっていきました。自覚症状が減ってみると『スッゴイ楽に感じるってことは、けっこうツラかったんだなぁ。』って思いました。
自覚症状の改善と共に甲状腺ホルモンの値も徐々に低下していき、それに伴ってメルカゾールの1日量も9錠➡6錠➡3錠と順調に減っていきました。
残った自覚症状
自覚症状が減っていく中、なかなか治らなかったのは『眼球突出(目つき)』、『手の震え』、そして『食欲増進』。
凸なべはもともとは小食。ですが、バセドウ病になってからスッゴイ食べてました。
以前は1人前のラーメンを完食するなんて考えられなかったのですが、バセドウ病のピーク時は、ラーメンにチャーハンと餃子もイケるくらいの食欲でした。
それでも体重は減っていく。食べても食べても太らないなんて状況だけ聞けば良い話だと思うかもしれませんが、寝ている時でもマラソンしているみたいな状態ですから、キッツイです。

しかも、食べてお腹がいっぱいになったらヒドイ動悸に襲われるところまでがテンプレ。毎回ツラくなるのに、ついつい食べてしまうという悪循環に陥っていました。食べるのにも体力を使っているってコトを実感します。
ですが、薬を飲み始めると代謝はすぐに落ちたようで、脈拍も80回台、汗もかかなくなりました。
そんな中、食欲だけが落ちない!一度広がった胃袋は、受け入れ態勢が整い過ぎて元に戻らないものなのでしょうか?
すると、ミスマッチが起きますよね。想像してみてください。
代謝の落ちた凸なべは、もはやただの大食いの人です。つまり、激太りします!!治療開始前33kgだった体重は、半年足らずで45kgへ急上昇。
この当時の写真、ヤバいです。目つきは悪いし、首は太いし、顔パンパンだし。まぁ、元が元なのでアレですが。
そして、症状は治まってきて身体は楽になっているハズなのに、体重が増えたから重い。動かないので余計に太るの負のループでした。
ただ、これは一過性でした。徐々に食欲も落ちはじめ、体重も40kg程度に落ち着きます。
いよいよ甲状腺ホルモンの値が正常値範囲内へ
メルカゾールの1日服用量が3錠になってからの停滞が長かったです。
FT3、FT4の値が正常値の範囲内に入れば、メルカゾールの量を1日2錠に減らせるということでしたが、凸なべの場合は正常値の一歩手前というところで半年ほど粘られました。


内服治療開始から9ヶ月ほど経ったころ、やっとホルモンの値が正常値の範囲内になり、メルカゾールの1日量は2錠に減量され、運動も解禁となりました。
ただ、この後もこの根性とやる気のあり過ぎる甲状腺に苦労させられることになります。