
バセドウ病歴20年以上。現在も内服治療を続けています。

バセドウ病とは、甲状腺の機能が亢進して過剰に甲状腺ホルモンが作られるために、イロイロな症状を来す病気です。
今回は、バセドウ病の症状や治療法について、まとめてみました。
スポンサーリンク甲状腺ってどこにあるの?
甲状腺は首の前方にあります。喉仏の下辺りで、蝶々が羽を広げたような形をしています。女性は首のほぼ中央、男性は首のやや下の方にあります。
バセドウ病などで腫れると首の表面から触って形がわかるようになります。

凸なべは女の割に喉仏が出ている方なのですが、甲状腺が腫れたときは喉仏の位置がわからないくらい埋まってました。

甲状腺ホルモンってどんな働きをしているの?
甲状腺は海藻などに多く含まれるヨウ素(ヨード)を材料に、甲状腺ホルモンをつくる臓器です。
甲状腺ホルモンの主な作用
- 熱産生作用:基礎代謝率を上げます。
- 心臓への作用:心拍数を増加させます。
- 消化管への作用:血糖値を上昇させ、血中コレステロール値・中性脂肪を低下させます。
甲状腺ホルモンが多いとどうなるの?
甲状腺ホルモンが多く分泌されると、上記の甲状腺ホルモンの作用が強くなり、以下のような症状が見られます。
全身症状
- 身体がだるくなる、疲れやすくなる(全身倦怠感)
- 体重が減る
- 汗かきになる、体温が高くなる、暑がりになる
- 少し動いただけで息切れする
循環器症状
- 脈が速くなる(頻脈)
- 血圧が高くなる
消化器症状
- 食欲が増す
- 下痢や軟便になる、排便回数が増える
精神症状
- イライラしやすくなる
- 集中力が低下する
- 一時的に意欲的になる
- 気分がコロコロ変わりやすい
その他
- 首(甲状腺)が腫れる
- 眼球が飛び出る(眼球突出)
- 手が震える
凸なべが感じた他の症状
- 光を眩しいと感じる
- 音に敏感になる(金属の触れ合うような音が特にイヤ)
- 嘔吐反射が強くなる(歯医者で歯の型を取るのが、ものすごくツライ)

バセドウ病になる原因は?
バセドウ病は、自己免疫疾患だと言われています。
身体にウイルスや細菌が入ってきた場合、その敵に対抗する抗体を作って体を守ります。ですが、何らかの原因で免疫機能の一部が正常に機能しなくなり、自己抗体が作られてしまうと自分自身を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患といいます。
免疫機能に異常が発生する原因については、2017年にEBウイルスの関連性が報告されています。そのほか、ストレスやタバコなどが誘因になると言われています。
どうしたらバセドウ病だとわかるの?
血液検査およびエコー検査で診断が可能です。
血液検査
甲状腺ホルモンが高値(甲状腺で作られ分泌されるホルモン)
- FT4:0.7~1.7ng/dL(正常値)
- FT3:2.5~4.5ng/dL(正常値)
甲状腺刺激ホルモンが低値(甲状腺ホルモンをつくるよう甲状腺に指令を出すホルモン)
- TSH:0.45~4.5μU/mL(正常値)
TSH受容体抗体が陽性(自己抗体:TSHの代わりに甲状腺を刺激してしまう)
- TRAb:2.0以下(正常値)
バセドウ病の治療法は?
①内服治療:抗甲状腺薬
治療の第一選択。メルカゾールやチウラジール(プロパジール)があります。
ほとんどの患者で内服治療が可能ですが、治療期間が長くなる場合や再発する場合も多い。
②アイソトープ治療
①の内服薬が使用できない場合や、内服治療では治らなかった場合に適応となる。確実性が高いが、反対の甲状腺機能低下症になることが多い。
③手術(甲状腺摘出)
①②が適応とならない場合。効果が早く確実性も高いが、甲状腺機能低下症となるためホルモン補充療法が必要となる。
まとめ
バセドウ病は20~30歳代の女性に多い病気で、男性の約4倍。そのためか、男性は診断に時間がかかる場合があるみたいです。
甲状腺外来では、確かに女性が圧倒的に多いです。ですが、男性もかかる病気ですので、上記のような症状がある場合は血液検査で判断できますし、調べてもらった方が良いでしょう。

※血液検査(FT3、FT4、TSH、TARb、副作用の有無)で約4000円(3割負担)。